さいたま市岩槻人形博物館が2020年 2月22日に開館しました。いうまでもなく岩槻は国内有数の人形の産地として有名で、その伝統や文化を活かした観光施設として旧岩槻市時代の1960年代から建設構想がありました。それが完成したので、一度訪ねてみたいとずっと思っていたのですが、21年10月にようやく行くことができました。

さいたま市にぎわい交流館いわつき

博物館に併設して、同じ敷地内に「さいたま市にぎわい交流館いわつき」がオープンしました。こちらは岩槻の“新しい楽しみ”が見つかる場所、岩槻を訪れる方がそれぞれの思いで心地よく過ごせる場として、また地域の歴史や文化を学び、さまざまな制作体験やイベントに参加をして「たのしい」、カフェメニューや名産品、地元で採れる野菜を食して「おいしい」、新しい知識や新しい人と出会う喜び「うれしい」を感じる等、人と情報が集まる場所として開設されたものです。いわつき人形の制作体験などのワークショップが随時開かれたり、人形劇をはじめさまざまなイベントが開催されたりしています。地元の珍しくておいしい野菜が売っていたり、それを使った食事ができたりと大変楽しめる施設になっています。

さいたま市岩槻人形博物館

人形博物館。館内は動線など大変よく考えられています。また、職員の方もたいへん親切で気持ちのよいことばかりでした。

常設展では埼玉の人形づくりをテーマに、人形はどのように作られているのか、伝統的な技法を中心に紹介されています。人形の製作道具や材料、岩槻などで作られた人形や文献資料のほか、現代の職人による人形作りの様子を映像で見ることができました。

もうひとつの常設展示室には日本画家で人形玩具研究家として知られる西澤笛畝氏の日本人形のコレクションがメインになっているとか。笛畝コレクションをはじめとした所蔵品の日本人形が常時見られます。華やかな雛人形、胡粉の白い肌が印象的な御所人形、彩色が美しい嵯峨人形、小さくても精巧な加茂人形や芥子人形、着せ替えを楽しめる市松人形など、どれもあでやかな日本人形ばかりで見入ってしまいました。
そのほかに随時企画展も行なわれるようで、2022年1月29日~3月21日までは「創作人形作家の雛とおもちゃ絵」展が開かれるとのこと。

大変楽しめる人形博物館なのですが、気になったところもいくつか。

エントランスの車いす用のスロープ。後付けのスロープです。きっと規格とかがあるのでしょう。みんな同じような幅ですから。そもそもこの幅自体がヘルパーさんに押してもらうことを前提に決められている気がします。一人で通ろうとすると幅が狭くて、落ちそうで怖いです。車いすの死角に入ってしまい、幅がわかりづらいこともあります。エントランスの点字ブロック部分も。弱視の方とか分かりにくいんじゃないかなぁ。

そのほかにも気になるところがあったので職員の方とお話ししました。

少しでも改善されてみんなが訪れやすい博物館になるといいですね。