NPO法人 障害者の職場参加をすすめる会総会シンポジウム

NPO法人・障害者の職場参加をすすめる会の2021年総会が開かれ、記念シンポジウムのパネリストとして参加しました。

記念シンポジウムのテーマは「どこから越える? コロナ禍で見えた社会の障壁〈かべ〉」というもの。
毎日新聞東京本社記者の山田奈緒さん、職場参加をすすめる会事務局の日吉孝子さん、埼玉高教組書記次長で特別支援学校教員の羽田亮介さん、そして伝田がパネリスト。
コーディネーターは埼玉県立大学の朝日雅也さん、越谷市の障害福祉課と人事課からコメンテーターを呼んで開かれました。市議会議員や国会議員もかけつけて大盛況でした。

伝田はさいたま市のステップアップオフィスの現状について報告(動画参照)、就労時の重度訪問介護をとりあげました。就労時には重度訪問介護が使えなかったものをさいたま市独自で使えるようになりました。それによって国の事業としても認められました。現在14市町が行なっています。しかし、在宅就労を想定しているため、通勤時の介護は想定されていないという問題が残っている。と報告しました。

ニューノーマルについて

山田記者は雇用率代行ビジネスで高収益をあげている「エスプールプラス」や特例子会社をとりあげました。
「雇用率代行ビジネス」とはソーシャルファームなどの特例子会社を管理するビジネスのこと。
大手企業が障害者法定雇用率を満たすために、本業を行なう会社とは別に会社〈特例子会社〉を設立、そこに契約社員(多くは1年間契約)として障害者を雇用し、その運営は代行会社に丸投げするというもの。その管理を行なうビジネスを雇用率代行ビジネスと呼んでいます。親会社は雇用率を満たすことができ、『面倒な障害者』の管理は外注する。雇用された障害者は期間契約とはいえ「親会社の社員」となり、しかも作業所などに比べて賃金もはるかに高い。そこでは、それ用に切り出された単純労働を黙々とこなす障害者の姿を求められています。もともと不要不急なものだから、コロナ禍になると真っ先に、自宅待機となったのでした。

同じ職場に障害のある人もない人も一緒に働く、という一般就労からどんどん障害者を締め出そうとしているのではないか。
日吉さんは、一般就労の難しさを訴えました。

羽田さんは、少子化にもかかわらず、特別支援学級・学校が増えていること、同じ学校の敷地に特別支援学校が建てられ、それがインクルーシブだとされている実態について話されました。

健常者、障害者と分けられたら最後、生まれてから死ぬまで、一度も交わることのない分断された社会になっている気がしてなりません。